先生はめんどくさがり。
「お似合いだと思うよ」なんて聞きたくなかった。
靴箱について、やっぱり啓太を待とうと決めて座っていた時。
「恋」
「…よっ!遅かった…」
意外にも啓太は早くて、涙ぐんでいた私は涙を拭って笑顔を向けた。
…だけど今、啓太の腕の中にいる。
「あんなやつ好きになんな」
「…何言ってんのっ。誰の話?」
啓太の前ではもう泣かないって決めていたのに、声を聞くと涙が溢れてくる。
「なんであいつなの」
…なんで?
そんなの私にもわからない。
先生じゃなくてもいいのに、先生じゃなきゃダメなの。
それって、どうしてなの…?
「恋があいつに泣かされるのと同じくらい、俺は恋のこと笑わせれるよ」