先生はめんどくさがり。
委員会が終わってかけてくる声も、本当にいつも通り。
「ごめん。今日は先帰ってて」
どうしても先生と話したかった。
どうして保健室であんなキスしたのか。
どうして時々、優しくしてくれるのか。
そう思うと、カバンを握る手はギュッと強まって、走り出していた。
そして走ってついた、数学準備室。
深く深呼吸をして緊張した手で、コンコンとノックをすると、出てきたのは服が乱れた白浜先生だった。
「あ、えっと…あの……」
嫌でも見える中には、慌てて服を直す保健室の先生もいた。
…見たくなかったな。
来なきゃよかった。
「話しあるなら準備室行ってろ。あとから行くから」