先生はめんどくさがり。


委員会が終わってかけてくる声も、本当にいつも通り。





「ごめん。今日は先帰ってて」





どうしても先生と話したかった。


どうして保健室であんなキスしたのか。


どうして時々、優しくしてくれるのか。



そう思うと、カバンを握る手はギュッと強まって、走り出していた。


そして走ってついた、数学準備室。



深く深呼吸をして緊張した手で、コンコンとノックをすると、出てきたのは服が乱れた白浜先生だった。





「あ、えっと…あの……」





嫌でも見える中には、慌てて服を直す保健室の先生もいた。



…見たくなかったな。


来なきゃよかった。





「話しあるなら準備室行ってろ。あとから行くから」

< 46 / 284 >

この作品をシェア

pagetop