先生はめんどくさがり。


先生はそう言って、準備室を出て行った。


ガランと音をたてて閉まった扉を合図に、私の涙腺も切れる。





「何で…嫌いになれないんだろう…」





こんなとこ来なきゃよかった。


あのまま啓太と帰ってればよかった。



先生のことなんか…考えなきゃよかったのに。



後悔はしたくないのに、もうすでに後悔が募る。



…私って、やっぱりだめだな。


結局は啓太がいないと、何もできないんじゃん…



そんな思いも、今はこの準備室に消えていくんだ。


< 50 / 284 >

この作品をシェア

pagetop