先生はめんどくさがり。
「恋?」
私が先生を見ているからか、隣から声をかけてきた啓太。
「ん?」
「ボーッとしてんなよ。次だぞ」
「あ、う、うん」
いつのまにか3年生の入場は終わり、次は私たちのクラスだった。
…いけない。
本当に集中しなきゃ。
それから種目が淡々と行われて、午前の最終種目が回ってきた。
『午前の部、最後になります。学年対抗リレーです』
校内アナウンスが流れて、張り詰めていた緊張感の中、私たちのクラスは立ち上がった。
あー…なんか緊張してきた…
こんなのガラじゃないのに。
「よっしゃあ!行くぞ!」
それに比べて啓太は張り切っていて、少し尊敬する。
それから啓太の声に、みんな続いたり、笑いあったり。
昔から、啓太のこういうところに憧れていた。