先生はめんどくさがり。


「恋も頑張ろうな」





そう言って差し出された拳。


ああ、緊張なんて言葉、どこかへ飛んで行ったかも。





「おうっ」





私はそう笑って、啓太の拳に自分の拳をぶつけた。





1年生が先に走って、それだけでも十分な盛り上がりなのに。


800mもあるリレーはあっという間に終わっていった。



次は、いよいよ私たち2年の番。





「1組頑張れー!!!」


「「ファイトーーーーー!!!!」」





どのクラスよりも大きな騒がしい声が、グラウンドを駆け回る。





「よっしゃ行くぞ!」


「「おー!」」





リレーメンバーも負けじと盛り上がり、その場の空気が和む。



そして、1年から帰ってきたバトンは2年の1走者目に渡された。

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