次期社長と訳あり偽装恋愛
突然のお誘い

出社してすぐにパソコンを起動してメールチェックをする。
それが終わると、会社に来る途中で買ったフレッシュジュースを飲んで一息ついた。

んー!美味しくて思わず顔が綻ぶ。

毎週金曜日、フレッシュジュースの店で飲み物を買うのが習慣になっている。
『フレッシュスター』、オーダーを受けてからその場でジュースを作るスタイルの店。
余計なものは入れず、新鮮な果物や野菜など食材本来の美味しさをギュッと詰め込んでいて私のお気に入りの店だ。

ちなみに、ジュースだけじゃなくコーヒーやカフェラテもメニューに並んでいる。

今日はバナナ、りんご、キウイなどが入ったミックスジュースをチョイスした。

「お、今日は何飲んでんの?」

隣の席の椅子に座りながら聞いてくるのは、私の同期の宮沢透。
柔らかそうなブラウンのミディアムヘア。
少したれ目で、優しい雰囲気を醸し出しているけど、そんなことはない。
結構ズバズバとものを言うタイプだ。

「ミックスジュース」

「へぇ、うまそう。一口ちょうだい」

「は?何言ってんの。嫌に決まってるじゃん」

「冗談だよ。お前の飲みかけなんていらねぇよ。コーヒーあるし」

そう言って手に持っていた缶コーヒーを見せてくる。

いらねぇ、とか失礼極まりない。
だったら最初から余計なことを言うなっての。
朝から気分が悪いわ。
こっちだって飲ませるつもりはさらさらないけどね。
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