血だらけペガサス
津島雪の世界
わたしは、ぼうぜんと、その場に立ち尽くした。
気がつけば、みんながいる体育館を離れて
一人屋上へと向かった。
すぐに清々しい秋の風を感じる。
わたしの他にも、数人の生徒たちが屋上にいた。
彼らは皆、口を開けて空を見つめている。
ふと、わたしも上を向く。
ある。
はるか上空に浮かぶ、奇妙な赤黒い星。
表面をテカテカと光らせて
燦々(さんさん)と輝いている。
わたしは手すりの方まで駆け寄った。
先ほどの、男の子が、横にいた。