血だらけペガサス
わたしと、その男の子の目があった。
「あ、この空…………すごいですよね」
と思わず話かけてしまった。
そのとき、
この奇妙な赤黒い星の元で、
彼が……わたしと同じ人種であるということを直感した。
なぜだろう。
わたしには、彼が、
どんな過去を送ってきたのかが分かるような気がする。
彼が、見ている世界の中で、
今のわたしは何割を占めているのか。
『今…………この瞬間』
彼の意識
わたしの意識
が、相対している。
わたしは、しばらく
彼の過去を
想像してみた。
でも、分からなかった。
しかしきっと、何かあるのだろう。
しばらく、預けるのもいいだろう。
わたしの意識は、ここで消失していく。
ついさっき、ほんのついさっきの
彼の意識の中に
収束していくのだ。
しばらく。