冬に咲いた春、僕は無くならない恋に堕ちる
ガヤガヤと騒ぐ教室の中、LHRが行われていた。

2年A組────。

「えー、今日は11月に行く修学旅行について決めたいと思います」

横島先生の大きめの声と同時に、クラスのやんちゃグループがひゃっほーいと喜びの奇声をあげる。

「まずは自由班を決めてねー、2日目は自由行動だから、そこで一緒に回る人達を決めてください」

パンッとなった横島先生の手の合図で、みんなが一斉に喋り出す。



「ねぇ、ねぇ彩桜〜」

「どうしたどうした?」

すぐさま、トントンと私の肩を叩いて助けを求めてきたのは後ろの席の親友、ことはだった。

そんな采羽に、私はよしよしと頭を撫でた。

「グループは、一緒にしようね」

と半泣きできたので、ふふと笑って当たり前じゃんと力持ちポーズをして見せた。

なんでも、采羽は極度の人見知りで普段は自分を作っている。明るい今どきの子かと思えば、それは表向きで、裏ではいじいじ起こった事を後悔していたり...。

いわゆる、ネガティブ思考ってやつかな。

そんな采羽とは何やかんやで高校一年生からの友達だ。

私と采羽がじゃれついていると横から、私と采羽の頭をいきなりのワシャワシャにされた。

「もー、ふたりばっかり!私も相手してよね〜可愛い美少女が泣いちゃうよ?」

「もー、りおやめてよっ!!」

「暴力はんたーい」

「暴力じゃないですもんっ」

プンプンと莉央は近くの空いていた席にドカッと座った。

「あ、それと莉央?自分で美少女って言っちゃうとポイント低めだよ?」

私はニヤッと笑って人差し指を立てた。

「じゃあ、可愛い子...」

「そ、れ、も!」

今度は采羽が、タイミングよくツッコム。

そして、3人でプッと吹き出して笑いだした。

確かに、莉央は美人でスタイルもいいし、二重もぱっちり。肩下まで伸びたストレートヘアーは彼女をもっと美人にさせた。

なんだろう、大人の雰囲気ってやつかな?

莉央は自画自賛する事もあるけど、ある意味真っ直ぐっていうか、思ったことは気づいたら言葉に出てるって感じ。


まぁ、そんな莉央とは高校二年生にからの付き合いでほんと、いつも憧れる。

大好きな友達。

そんな日常が幸せだなーなんてふと思ったり。

そんな事思ってたらふと自然に笑みがこぼれた。

その瞬間を見ていた2人には、彩桜変なの〜なんて笑われてしまった。


結局、修学旅行はこの3人で回ることになった。
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