ココロユクエ
 


『…そうかもしれないけど。
 今はまだ、全然、かな〜?
 でも、私みたいな雑用の仕事でも
 いい加減な事やってると、周りに迷惑
 かけちゃうから、真面目に頑張ってる…
 』


言いながら、課長補佐に、知らない間に、めっちゃフォローされてた、自分の大失敗を思い出した……

私ももっと頑張らなきゃ。今度はミスしないようにもっと見直しして、哉草サンに手間かけないように、皆のお手伝い、もっとちゃんとやらなきゃいけないって、しょーちゃんの話をきいて、思った。


『でさ、最近、俺、趣味が変わったんだ』

『え?趣味?なぁに?
 ゴルフでも始めたの?』

『ハハッその趣味じゃなくて、好みの女性
 のタイプが変わったんだよ』

『そ〜なの??』

でも、しょーたの好きなタイプって、どんなだったっけ……?

『所長って訳じゃないけど、仕事一生懸命
 やってたりとか、しっかりしてる女性
 っていうの?「自分」っていうのを
 ちゃんと持ってて、尊敬できる女性って
 いいなぁって、最近、思うんだ。』

『……ふ〜ん』


何だか、私にはまだまだ遠い位置な感じがする女性像だなぁ。
でも、わかる気がする……尊敬できる人って、男性でも女性でも、魅力的でかっこいい。


『前は、かわいくて守ってあげたくなる
 ようなタイプが良かったけど。
 学生の頃とは変わるよな。
 やっぱり長く一緒にいる事も考える
 訳だし』

『そっか〜……』


私、あんまり考えてなかったなぁ、長く一緒にいるっていう、つまり、「結婚」の事。

しょーちゃんの話きいてて、あまり自分が学生の頃から、成長してない事に気がついた。

趣味とか、考え方とか、仕事の事とか。外見的にも、OLらしい服装してるだけで、まだまだコドモっぽくて、大人のキレイなキャリア女性には、程遠い……

考えると、何だか、ちょっと、落ち込んできたかも。


『羽菜はどうなんだ?彼氏は??
 ……でも、合コン誘われるんだから
 やっぱ、いないか〜??』

『…いないよぉ、どうせ。しょーちゃん
 だって〜ここ来てるンだから、彼女
 いないんじゃない』

『ハハハッそうだなっ』


懐かしい笑顔だなぁ。

 
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