ココロユクエ
§1. 心の在り処
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ガラス窓が、ぴし、と鳴る。
窓の外は桜。桜の花びらが舞ってる。
個室には、ケツメイシの「サクラ」。
『…「さくら」の付く曲は沢山あるけど
これが一番好きって、言っていたね』
…君の視線は窓の外。
落ちていく花びらの行く先。
『…あなたに、そんな傷を
のこしたくないのよ』
『……』
『…ごめんなさい。ありがと……でも
お願い、無茶言わないで…』
僕は、桜が舞い落ちる音が、見える気がした。
『…「傷」だなんて、何、言ってるんだ?』
やっと彼女はふりかえる。
―――−−この時の、あなたの表情、ワタシわかる。きっと、あの、少し寂しそうな、―――−−
『「傷」じゃない。それは、僕の「誇り」
だ。一生分の。』
−−―――会った事の無い、彼女の表情まで、わかる。
きっと、涙がこぼれた、ぽとり、と。
少し寂しそうな、でも一番優しい瞳で、あなたがいるから。
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