ココロユクエ
白いカラーの花束を、受け取るカレン。口許がふわりと微笑んでいた。


『カレン、おめでとう』

『ありがとう、せー君、こんなステキなプレゼント…』

笑顔を投げかけてくれる。
この笑顔は、初めてみる表情だった。

『…カレン…?』

『何?せー君』

花束に目を落としながら、微笑む瞳が、ゆらゆら揺れた。

『ど、どうした?カレン?』

ポツンと光が、花びらにひとしずく落ちた。

『……え、あれ、やだ、何で…』

『どうした、カレンっ、刺でも…』

『え?…ごめん、違う違う、大丈夫よ、刺なんて無いよ。せー君違うの』

指先で、そっと涙を拭う。

『…何て言ったらいいのかな…その、嬉しくて、「幸せ」で…』

僕の目を見て、君が言う。

『ありがとう。せー君…小さい頃からずっと、当たり前に隣にいてくれて…』

そして、微笑む。

『……大好きよ』

紅潮する頬。


思わず、その頬に手の平を包んで、僕は………















こぼれ落ちる涙で目を覚ます。


僕は、いつまで、この甘苦しい夢を見続けるのだろう…………





…………………………







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