ココロユクエ

　


『先輩ってゆーより、上司。
　本当、好きとか全然違うの。
　「優しい人だな」って　思っただけ。』

『…な〜んだ、つまんない。
　しょーた君以来の彼氏かと思ったのに〜』

『ちょっと、お姉ちゃん！しょーちゃんは
　彼氏なんかじゃないよ、学生ン時の
　サークル仲間だって。』

『そうだったっけ？
　家、よく来てたじゃない？』

『大学に近かったから寄ってただけだよ。
　それに二人っきりとかじゃなかったでしょ』

『でもね〜、羽菜、絶対、しょーた君
　あんたの事、好きよ？』

『無い無い！絶対無いよ』

『お姉ちゃんから見てると、ワカルん
　だって！』

『無いって、全然、ただの友達だもん。
　それに、卒業してから、全然、連絡
　無いし？』

『……な〜んだ、しょーた君もハズレか
　つまんないっ』

『つまんないって、お姉ちゃん』

『あんた、何年彼氏いないのよ？』

『………大学一年の時、以来？？』

『何よ、5年も！寂しい子ね〜』

『5年じゃないもん！…よ、4年、半…
　だもん…』

『ほとんど5年でしょ。本当
　つまんない子ね』

『ひどいよ、お姉ちゃん』

『誰か男のコ、紹介したげようか？？』

『……う〜ん、何か、いいや〜』

『いいってあんた、若いのに
　もったいない』

『……彼氏って、何かめんどくさいンだ
　もん』

『やだ、経験豊富な女みたいな事言って。
　羽菜くらいの年頃が、恋も仕事も
　一番楽しい頃じゃない』

『…仕事は確かに、最近楽しくなってきた
　けど〜
　恋ってさ〜、何か「好き」って気持ちで
　メールとか電話とか、義務みたいに
　しなきゃいけないって感じで、
　何かそゆの、つまんないンだもん。
　わたしケータイ苦手だし』

『苦手って、それが欠かせないツール
　じゃない。ラブラブメール打ってさ』

『それが嫌なの。ハズカシ〜い感じの文章
　読んでると、自分の気持ちから
　かけはなれてく感じがして』

『そういうのを楽しむのよ』