御曹司様の求愛から逃れられません!
話しているうちに時間が来て、チャペルへと案内された。
新郎は早織さんと同じ会社の二つ下の後輩だという。姉さん女房だなんて、早織さんらしいな。新郎側のゲストの人たちも、若い人が多く、華やかだった。
入場までまだ少し時間があり、隣に座っていた絢人さんが顔を寄せて話しかけてくる。
「真夏は自分の結婚式は、チャペルがいいの?」
単純な疑問を聞かれただけなのに、それでも緊張した。結婚式のことを絢人さんと話すのは、なんとなく恥ずかしい。
「……そうですね、憧れはありますけど……好きな人となら何でもいいです。好きな人と結婚できるだけで、他には何も……」
恥ずかしさで最後まで言い切ることはできなかった。聞いてきたくせに、絢人さんも「そっか」と言って前を向いてしまう。
しかし、しばらくしてからもう一度、私に囁いた。
「俺も。絶対、好きな人と結婚したい」
彼の低い声に、カッと囁かれた耳が熱くなり、心臓が鳴り出した。
好きな人って、今は私のことだよね……?
絢人さんを見た。真剣な顔をしている。そのあとフッと笑って、そして切なく消えた。
お互いに、また何事もなかったかのように前を向く。どうしよう、心臓、うるさい……。
時間になり、オルガンと聖歌とともに新郎がひとりで入場してきた。
優しそうな人で、ちょっぴり緊張している様子。早織さんに頭が上がらない、そんな日常が思い浮かんだ。
続いて、もうすぐ新婦。私は絢人さんに席をバージンロード側にしてもらっていたため、入場する早織さんを間近で見ることができる。今か今かと扉を振り返り、ワクワクしていた。
「新婦、ご入場です」
扉が開いた。向こうの窓からさす光に包まれて、白いウェディングドレス姿の早織さんが立っていた。
私は息を飲んだ。
隣には彼女のお父さんがエスコートしながら、一歩一歩、ゆっくりとバージンロードを進んでいく。
新郎は早織さんと同じ会社の二つ下の後輩だという。姉さん女房だなんて、早織さんらしいな。新郎側のゲストの人たちも、若い人が多く、華やかだった。
入場までまだ少し時間があり、隣に座っていた絢人さんが顔を寄せて話しかけてくる。
「真夏は自分の結婚式は、チャペルがいいの?」
単純な疑問を聞かれただけなのに、それでも緊張した。結婚式のことを絢人さんと話すのは、なんとなく恥ずかしい。
「……そうですね、憧れはありますけど……好きな人となら何でもいいです。好きな人と結婚できるだけで、他には何も……」
恥ずかしさで最後まで言い切ることはできなかった。聞いてきたくせに、絢人さんも「そっか」と言って前を向いてしまう。
しかし、しばらくしてからもう一度、私に囁いた。
「俺も。絶対、好きな人と結婚したい」
彼の低い声に、カッと囁かれた耳が熱くなり、心臓が鳴り出した。
好きな人って、今は私のことだよね……?
絢人さんを見た。真剣な顔をしている。そのあとフッと笑って、そして切なく消えた。
お互いに、また何事もなかったかのように前を向く。どうしよう、心臓、うるさい……。
時間になり、オルガンと聖歌とともに新郎がひとりで入場してきた。
優しそうな人で、ちょっぴり緊張している様子。早織さんに頭が上がらない、そんな日常が思い浮かんだ。
続いて、もうすぐ新婦。私は絢人さんに席をバージンロード側にしてもらっていたため、入場する早織さんを間近で見ることができる。今か今かと扉を振り返り、ワクワクしていた。
「新婦、ご入場です」
扉が開いた。向こうの窓からさす光に包まれて、白いウェディングドレス姿の早織さんが立っていた。
私は息を飲んだ。
隣には彼女のお父さんがエスコートしながら、一歩一歩、ゆっくりとバージンロードを進んでいく。