御曹司様の求愛から逃れられません!
早織さん、綺麗……!
おっとりとした印象の彼女も、今日はとても神秘的に耀いていた。肌も照り返るくらい真っ白で、時折キラキラと眩しく光る。

ザワッとした歓声が上がる。今日の彼女は、まだ誰も見たことのないくらい綺麗なのだ。

すでに涙が出そうなくらい感動して、興奮を伝えたくて絢人さんのスーツの裾を引っ張ると、絢人さんも私の手を握り返しながら早織さんを見ている。

握ってくれたその手を私もぎゅっと両手で包み込んで握りしめ、目の前の興奮を彼とともに噛み締めていた。

感動的なチャペルでの挙式が終わった。
それから晴天の中、フラワーシャワー、写真撮影と段取り良く進み、十五分後には披露宴となる。
私は庭園の様子を写真に収め、控え室へと向かう早織さんのことも隠し撮りをした。

早織さんは終始、太陽のような笑顔だった。幸せそうだ。緊張していた旦那さんも、その笑顔につられて肩の力がいい感じに抜けている。
それが嬉しくて、また絢人さんを見た。今日はやけに、絢人さんにくっつきたくなる。
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