御曹司様の求愛から逃れられません!
絢人さんは電話を切ろうとしたが、樫木さんは『いえ』とさらに続ける。
『お二方ともテレビ電話で繋がっています。お繋ぎしますね』
「はあ!?」
すると電話口は関を切ったように騒がしくなり、絢人さんはそれを耳から離した。樫木さんがテレビ電話に切り替えたらしく、そこには画面いっぱいにおじ様ふたりの姿が映し出される。
どうやらチャット形式のテレビ電話のようで、絢人さん、樫木さん、社長さんたちの三窓が表示されていた。
それを覗き込もうとしたが、絢人さんは私のことは自分の背中の後ろに隠したままで、応答した。
「こんにちは。今回は驚かせてしまい申し訳ありません」
『絢人くん!!好きな女性がいるとは君までどういうことかね!?玲奈も執事と結婚したいと言い出すし!!僕たちは何も聞いてないよ!?』
『こら絢人そこにいるのか!!変だと思ってたんだ!!急に統合を白紙に戻そうとしたから!!おい、聞いてるのか!!』
“うるせーな”と顔を歪めた後で、絢人さんはすぐにまたビジネススマイルに戻す。
「ええ、その件については電話でお話することではないですから、後日きちんと説明に伺いますよ」
電話の向こうはそれでは収まりがきかず、画面から飛び出してきそうなほど似たようなふたりのおじ様が詰めよってきた。
『絢人くん!!僕はショックだよ!大事な大事な一人娘の玲奈が君には打ち明けたのに僕には何も言ってくれずに苦しんでいたなんて!玲奈に好きな人がいることをどうして黙っていたんだね!』
『絢人!!お前も昔からどうしてそういう大事なことを父さんに黙っているんだ!好きな人がいるならちゃんと紹介しなさい!お父さんだって絢人の彼女と仲良くしたいんだぞ!てっきり玲奈ちゃんがそうなのかと思っていたのに!』
……ん?話がちょっと見えなくなってる気が……。
深刻な話だったんでは?
『お二方ともテレビ電話で繋がっています。お繋ぎしますね』
「はあ!?」
すると電話口は関を切ったように騒がしくなり、絢人さんはそれを耳から離した。樫木さんがテレビ電話に切り替えたらしく、そこには画面いっぱいにおじ様ふたりの姿が映し出される。
どうやらチャット形式のテレビ電話のようで、絢人さん、樫木さん、社長さんたちの三窓が表示されていた。
それを覗き込もうとしたが、絢人さんは私のことは自分の背中の後ろに隠したままで、応答した。
「こんにちは。今回は驚かせてしまい申し訳ありません」
『絢人くん!!好きな女性がいるとは君までどういうことかね!?玲奈も執事と結婚したいと言い出すし!!僕たちは何も聞いてないよ!?』
『こら絢人そこにいるのか!!変だと思ってたんだ!!急に統合を白紙に戻そうとしたから!!おい、聞いてるのか!!』
“うるせーな”と顔を歪めた後で、絢人さんはすぐにまたビジネススマイルに戻す。
「ええ、その件については電話でお話することではないですから、後日きちんと説明に伺いますよ」
電話の向こうはそれでは収まりがきかず、画面から飛び出してきそうなほど似たようなふたりのおじ様が詰めよってきた。
『絢人くん!!僕はショックだよ!大事な大事な一人娘の玲奈が君には打ち明けたのに僕には何も言ってくれずに苦しんでいたなんて!玲奈に好きな人がいることをどうして黙っていたんだね!』
『絢人!!お前も昔からどうしてそういう大事なことを父さんに黙っているんだ!好きな人がいるならちゃんと紹介しなさい!お父さんだって絢人の彼女と仲良くしたいんだぞ!てっきり玲奈ちゃんがそうなのかと思っていたのに!』
……ん?話がちょっと見えなくなってる気が……。
深刻な話だったんでは?