御曹司様の求愛から逃れられません!
2.御曹司様の求愛
*******
「ひ、広い!広すぎです絢人さん!ひゃー!夜景キレイ!」
半ば強引に連れて来られたマンション。ドラマでしか見たことのないようなエグゼクティブな内装に、私は本能のままにはしゃいでいた。
部屋は仕切りのない開放的な空間で、ワックスのかかった木目の床はどこまでもピカピカに続いている。
そこに黒いソファがL字に置かれ、ガラスのテーブルを挟んだ先には、広げた両腕より大きなテレビモニターが佇んでいた。
そして何より、一部ガラス張りとなった壁から見える、東京の夜景。
私は気がつけばそこに張り付いていて、女という本能には逆らえないものだとつくづく思った。
「気に入ったなら良かった」
「こ、これ家賃いくらなんですか……?」
「父親の持ち物だから。金持ちってスゲーよな」
自分のことでしょ!と突っ込みを入れたくなったけれど、今までの会話から、彼は父親は父親、自分は自分、と分けて考えているところがある。
そんなところは、絢人さんらしいと思った。
「真夏、おいで」
彼はいつまでもガラスに張り付いている私を呼び、ソファに座るよう手招きした。
「ひ、広い!広すぎです絢人さん!ひゃー!夜景キレイ!」
半ば強引に連れて来られたマンション。ドラマでしか見たことのないようなエグゼクティブな内装に、私は本能のままにはしゃいでいた。
部屋は仕切りのない開放的な空間で、ワックスのかかった木目の床はどこまでもピカピカに続いている。
そこに黒いソファがL字に置かれ、ガラスのテーブルを挟んだ先には、広げた両腕より大きなテレビモニターが佇んでいた。
そして何より、一部ガラス張りとなった壁から見える、東京の夜景。
私は気がつけばそこに張り付いていて、女という本能には逆らえないものだとつくづく思った。
「気に入ったなら良かった」
「こ、これ家賃いくらなんですか……?」
「父親の持ち物だから。金持ちってスゲーよな」
自分のことでしょ!と突っ込みを入れたくなったけれど、今までの会話から、彼は父親は父親、自分は自分、と分けて考えているところがある。
そんなところは、絢人さんらしいと思った。
「真夏、おいで」
彼はいつまでもガラスに張り付いている私を呼び、ソファに座るよう手招きした。