御曹司様の求愛から逃れられません!
私はこの状況がどうにも“なし崩し”に思えてきて、好きというのはオマケだったんじゃないかと小さな疑問が沸いてきた。
私は見れば見るほど綺麗な顔の絢人さんから目を逸らして、ボタンにかかる彼の手をキュッと握った。
「……ずっと好きって、本当ですか?でも、卒業してからも、恋人はたくさんいたでしょう?」
「たくさん?……たくさんではないよ」
それでもやっぱり恋人いたんじゃん。私はムッとして、今度は彼の手をつねった。
「その人たちと付き合ってるときは、私のことは好きじゃなかったわけですよね。ずっとじゃないじゃないですか」
「違う。ずっと好きだったよ。真夏が一番」
「じゃあその恋人たちとは、遊びだったわけですか?真面目な付き合いではなかった、と?」
「…………んー?……そこはノーコメントだな」
プチンときて、彼の手を剥がして押し返し、腰を引いて彼の体の下から抜け出した。
離れる私を引き留めるため絢人さんは再度手を伸ばしたが、私が彼を警戒する姿勢を露にしたことでそれはゆるゆると落ちていった。
「おい、真夏」
「嫌です。近付かないでください」
「真夏っ」
再会してから初めて焦った表情を見せた絢人さんを前に、私はどうにかマウントを取り返したと息をついた。
しかし気は抜けない。さっきのやりとりで分かったが、絢人さんは関わると絶対に火傷をする相手だ。女の本能がそう言っている。
私は見れば見るほど綺麗な顔の絢人さんから目を逸らして、ボタンにかかる彼の手をキュッと握った。
「……ずっと好きって、本当ですか?でも、卒業してからも、恋人はたくさんいたでしょう?」
「たくさん?……たくさんではないよ」
それでもやっぱり恋人いたんじゃん。私はムッとして、今度は彼の手をつねった。
「その人たちと付き合ってるときは、私のことは好きじゃなかったわけですよね。ずっとじゃないじゃないですか」
「違う。ずっと好きだったよ。真夏が一番」
「じゃあその恋人たちとは、遊びだったわけですか?真面目な付き合いではなかった、と?」
「…………んー?……そこはノーコメントだな」
プチンときて、彼の手を剥がして押し返し、腰を引いて彼の体の下から抜け出した。
離れる私を引き留めるため絢人さんは再度手を伸ばしたが、私が彼を警戒する姿勢を露にしたことでそれはゆるゆると落ちていった。
「おい、真夏」
「嫌です。近付かないでください」
「真夏っ」
再会してから初めて焦った表情を見せた絢人さんを前に、私はどうにかマウントを取り返したと息をついた。
しかし気は抜けない。さっきのやりとりで分かったが、絢人さんは関わると絶対に火傷をする相手だ。女の本能がそう言っている。