俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
すぐに屋敷のメイドが扉を開けてくれた。そして、俺がリリーを横抱きしていることに驚く。

「ありがとう」

「あ、ありがとう…ございます」

リリーはいつものような元気な声ではなく、恥ずかしそうにお礼をメイドに言った。

「リリーの部屋はどこだ?すまないが、案内してくれ」

メイドは「かしこまりました」と言い、客専用の部屋が並ぶ場所へと案内を始めた。

屋敷の中は、貴族の屋敷らしく豪華な調度品であふれかえっていた。ジャックの叔父の屋敷のような武器ではなく、絵画や壷がたくさん飾られている。

ベルベット卿の屋敷は四階建てだ。俺たちが泊まる客室は三階にある。

三階の一番奥にある客室がリリーの部屋のようだ。

「こちらになります。リーバス様のお部屋はそのお隣になります」

メイドが扉を開ける。柔らかそうな絨毯や、ロココ調のベッドや家具が並ぶ豪華な部屋だ。

「ありがとう」

俺はメイドにお礼を言い、リリーとともに部屋に入る。
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