俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
問題児は縛られることが嫌い
問題児たちとのラス国観光は、ハプニングの連続だった。

美術館ではリーが展示されている絵画に手で触ろうとしたり、(俺がリーを外につまみ出すと、地元の子供たちが爆笑していた)、厳かな教会ではアレックスが壁にもたれかかって眠ったり、(俺が怒鳴りつけて飛び上がって起きたアレックスを見て、修道士たちがクスクス笑っていた)、路上ではリリーがパーティーを開催したり、(俺たちも巻き込まれ、歌ったり踊ったりした)。

しかし、ハプニングが起きても誰かが笑ってくれる。それが救いだと思った。

ラス国に来て四日目。この日はオペラハウスに俺たちはやって来ていた。

ただの観光ではない。フローレンスが舞台に立つためそれを見に来たのだ。

男性はスーツ、女性はドレスを着てオペラハウスの特等席に座る。席はフローレンスが用意してくれたものだ。

「楽しみだね〜!」

俺の隣でリリーが笑う。ピンク色の花柄のドレスを着て、元気にいつも通りに笑っている。
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