俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」

リリー・オクト、二十二歳。趣味はパーティーにお喋りらしい。

大人だというのに初日から遅刻とは、さすが貴族。俺は小さく舌打ちをした。

貴族の女性ということは、豪華な動きにくそうなドレスに身を包み、装飾品や化粧をしてゆったりと登場するのだろうか。……そう思うと胃が痛い。

参加する国の代表が来ないのならば、会議を始めることはできない。俺たちは待つことにした。

しかし、三十分を過ぎてもタンバリー国の貴族は現れない。休むとも遅れるとも何も連絡はない。

椅子に座って黙っている代表者たちの顔に、徐々に苛立ちが見えてきた。これ以上は待っていられない。

「え〜……それでは、第一回世界平和対策本部の会議を始めたいと思う」

俺がそう言うと、代表者たちの顔から怒りが消えた。

今回は初日ということもあり、自己紹介をすることになった。名前と出身国と自分の仕事を言う簡単なものだ。

「では、俺から始めよう」

俺は椅子から立ち上がる。全員の視線が集中した。

その慣れない視線に戸惑いながら、俺は口を開く。