俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
「ドリス国代表のリーバス・ヴィンヘルムだ。職業は警察官だ」

「やっぱり」「そう思ってた」と小さな声で呟く声があちこちから聞こえる。俺は誤解されないように付け足すことにした。

「……ちなみに、俺は刑事ではなく交番勤務だ」

「嘘ッ!!」

「マジ!?」

「ベテランの刑事だと思ってた〜」

あちこちから驚きの声が響く。小町もみんなと同じように驚いた顔で俺を見つめている。俺は恥ずかしさとショックで帰りたくなった。

「……静粛に!続けましょう」

オルバ国の代表が大きな声で言うと、会議室は再び静寂に包まれる。俺は咳払いをして自己紹介を促した。

「アレックス・ワトソンです。メロウ国出身。高校生っす」

キャンディーの口に入れながら、金髪の少年が言った。飲食禁止と言いたいが、今日は初日なので眼をつぶることにした。

メロウ国は世界で三番目に大きな国だ。国土が広いため、農業や産業がとても発展している。軍事力もなかなかのものだ。

この対策本部の中で一番彼が若く、十六歳だ。たしかにまだ子どもっぽさがある。それでも小町と比べると彼の方が年下ということに驚くのだが…。
< 23 / 179 >

この作品をシェア

pagetop