俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
ラス国もギール国のように世界中に多くの植民地を持つ強国だ。過去に一度、ドリス国もラス国に植民地にされたことがあるらしい。

続いて、俺より十センチ背が高い男性が立ち上がった。首に青黒く輝く不思議な石のネックレスをつけている。

「ロール国出身のイワン・キースです!職業は農家だよ〜。みんな仲良くしてね」

ロール国は、ドリス国よりも北にある一年のほとんどが雪と氷に覆われた国だ。しかし世界で一番大きく、近隣に多くの植民地を持っている強国だ。

それから何十カ国もの人々の自己紹介を聞いた。俺の聞いたことのない国も中にはあった。

職業も、国も、髪や目や肌の色も違う俺たちがこうして集まって世界を変えようとしている。それがなんだか不思議な気分だ。

全員の自己紹介を終え、俺はボロボロの腕時計を見る。そして未だに空いている一つの椅子を見つめた。

タンバリー国の貴族は二時間ももう遅刻している。いくらなんでも非常識だ。

さて、代表者が一人いないのにどう会議を進めていこうか……。そう俺が思った時だった。
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