俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」

バタバタと慌ただしく廊下を走る音が聞こえた。俺たちは何事かと扉を見つめる。

次の瞬間、バンと大きな音を立てて扉が開き、一人の女性が飛び込んできた。

長い栗色の髪に青い目。身長は女性にしては高い。服装は高そうなブラウンのロリータ服だ。白いレースと黄色の花がついている。靴も高そうなヒールだ。頭には白いリボンのカチューシャをしている。

この無駄な高級感に俺たちは、この女性がタンバリー国の代表だと何も言わなくてもわかった。

タンバリー国の代表は、ニコニコ笑いながら口を開いた。

「リリー・オクトです！タンバリー国出身の貴族です。身長百七十五センチ、体重五十六キロ！誕生日は八月二十二日！好きな食べ物はチーズとジェラート！！嫌いな食べ物はピーマンとにんじん！！よろしくお願いしま〜す！」

二時間も遅刻してきて、全く悪びれる様子もないその態度に俺は腹が立った。何人かは苛立った様子でリリーを見ていたが、中には安心したように微笑んでいる者たちもいた。