俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
バッグを手にすると、女性は安心したように微笑む。

「散歩がてら朝の市場に買い物に行こうと思っていたんです。本当にありがとうございます!」

何度も女性がお礼を言うので、俺は照れくさくなってきた。

「いえ。犯罪を見逃さないのが俺の仕事ですから」

そう言い俺も微笑むと、女性は「わかってますよ」と言い続ける。

「あなた、お若いのに立派ですね!刑事さん!」

刑事……。やっぱりそう言われたか……。

「いえ、奥さん。俺は刑事ではないんです」

女性はきょとんとした顔で、「じゃあ、軍人さんかしら?」と言う。

これも事件が起こり助ければ言われる台詞だ。俺はそんなに威圧的なのかと思いながら、言う。

「俺は警察は警察でも、交番勤務なんです」

「ええ〜!!」

女性だけでなく、捕まえた引ったくりも驚いてた。



百年前から起きているこの戦争は、俺たち警察の仕事を増やしてくれる。

戦争で物価が上がり生活できなくなった人々が、万引きや強盗、最悪の場合人身売買などに手を染めてしまう。
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