俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
おかげでドリス国の治安は一気に悪くなった。戦争が始まる以前は、世界でもトップクラスになるほど治安がよかったらしい。

引ったくりを近くの交番に連れて行き、俺は事情を話して家に帰った。

交番にいた警官も、俺が交番勤務のお巡りさんだと聞くと驚いていた。

家に帰るとポストから新聞を出し、目を通す。ここ数年は明るいニュースを聞いたことがない。今日も軍事的なニュースや、暗いニュースばかりだ。

『タンバリー国の王女、行方不明に!誘拐か?』

『ラス国で内戦が発生!死者二十人、負傷者五十人以上』

『メロウ国が桜花国に宣戦布告!』

暗いニュースばかりで読む気が失せるが、情報を入手するためには必要なことだ。仕方なく目を通す。

新聞を読んだあと、ベルと自分の朝ごはんを用意する。黒パンと具のほとんどないスープというとても質素なものだ。

でも我慢するしかない。今は戦争中なのだ。空から爆弾を落とされることはないが、戦地では激しい戦いが今も行われている。のんびり食事を食べられる自分の方が幸せだ。
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