俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
こってり俺に怒られたリリーたちは、珍しくしょんぼりとしている。それを見て、俺は何とも言えない複雑な気持ちになった。

リリーたちも悪気があってしているわけではないのだろう。俺も会議なんてこの歳になるまでしたことなどなかった。

常識を知らないのなら、きちんとルールを教えなければならない。ルールを知らないのに怒っても逆効果だ。そう思うと俺にも非があるような気がしてくる。

「リリー、今日は……」

俺が会議室を出て行こうとするリリーに声をかけようとすると、ジャックがリリーの肩に触れた。

「リリーさん」

「ん?何?」

リリーはジャックに笑顔を向ける。そのことに少しモヤモヤする自分がいた。

「よろしければ、ギール国へ遊びに来ませんか?ギール国はお茶会で有名なんです。リリーさんの好きなパーティーとは違うかもしれませんが、いい交流になるかと思いまして…」

そう言うジャックの言葉に、リリーは青い海のような目を輝かせ、ジャックの手を掴んだ。

「お茶会!!行きたい!!」

目を輝かせたまま、リリーは次々と対策本部のメンバーに声をかける。
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