俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
「リーバスも行こうよ〜。きっと楽しいよ!」

リリーが無邪気な笑顔を向けてくれたことに、俺は少しほっとする。

ギール国へは、俺とリリー、小町にフローレンス、リーやアレックスやイワンが行くことになった。大人数となってしまったが、ジャックは「大丈夫ですよ」と紳士的な笑みを浮かべていた。



船でギール国へと向かい、到着した時にはもう夜八時だった。

ジャックが用意してくれた馬車に乗り込み、ジャックの家ではなく、ジャックの叔父の家へと向かうことになった。

「なぜ、お前の家ではないんだ?」

馬車の中で訊ねると、ジャックは恥ずかしそうに答えた。

「実は……僕は皆さんのようにお金があるわけではないんです。ボロボロの家なので、お客様を呼ぶ際は叔父の家を使用しているんです」

俺は想像もしていなかった答えに少し驚く。ジャックは身なりにとても気を使っている。今だって、高級というわけではないが、スーツをしっかり着ている。
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