俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
あまりの武器の多さに、リーたちもそれぞれ感想を述べている。しかし、リリーだけは無言だ。

こんな立派な屋敷に来たのに、さっきから一言も話していない。いつも無駄に元気なのに、誰かに話しかけたり、独り言を言ったりもしない。

リリーは無表情で何かを考えていた。その表情を見たことがないので、俺はまた言葉を失った。

「リリー?あんた、どうしたの?いつもの元気がないですわよ」

変だと感じたのは、俺だけではないようだ。全員の視線がリリーに集中している。

フローレンスが訊ねると、リリーは「長旅で疲れちゃったのかな?」と答えた。

「先にお部屋で休みますか?お茶会なら、明日でもできますよ」

ジャックがそう言ったが、リリーは首を横に振る。

「せっかくだししたい!」

その目は、お茶会をしようという話になった時と同じように輝いている。誰にも止めることはできない。

「それでは、中庭に行きましょう」

ジャックが部屋を出る。俺たちも後に続いた。
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