俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
アレックスはサンドイッチやケーキなどを自分が持って来ていた箱に入れるだけ入れ、イワンは紅茶を使って魔術の練習をしている。リーは動物にスコーンをちぎって与え、フローレンスはケーキの嫌いなフルーツを皿に残している。

明らかにマナー違反ばかりなのだが……。

「まあ、今回は異文化交流ということで、マナーなどは気にしていません。皆さんが楽しんでいただけたら、それでいいんです」

ジャックはそう言い、近くにいたメイドに紅茶のお代わりを持ってくるように頼んだ。

「ジャック様、ダージリンはもう切らしてしまって無いのですが……」

「それなら、別の茶葉を頼むよ」

紳士的な笑顔でメイドと話すジャックが、貧乏とは思えない。むしろ、フローレンスたちよりずっとお金持ちに見える。貴族といっても疑われないような雰囲気があった。

「リーバス!ジャック!ほら、一緒に飲もうよ〜」

リリーが紅茶を一口飲み、言った。
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