俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
リリーの紅茶を飲む仕草や、ケーキの食べ方だけを見ると、貴族なんだと気付かされる。厳しくしつけられたんだとわかった。

「ジャックさん。このお菓子、とてもおいしいです。作り方を教えてくださいませんか?」

小町がそう言うと、ジャックは「もちろんです」と言った。

俺も紅茶を飲む。おいしい。サンドイッチを食べてみる。こちらもおいしい。

本当のお茶会なら、もっと落ち着いていてマナーも厳しいのだろう。しかし、わいわいお茶を楽しむのもいいと思った。

「……ふふっ」

リリーが笑う。俺はリリーを見つめた。

「どうした?」

「だって、リーバス笑ってる!普段、あんまり笑わないのに、今すごくいい笑顔だよ!」

もしも、この言葉を会議などで言われたら恥ずかしくてリリーを叩いていただろう。しかし今は笑っている自分が誇らしい。このままでもいいと思う。

「お茶をお持ちしました」

メイドがお茶とパウンドケーキを持って現れた。

「おお!パウンドケーキ!」

アレックスの目が輝く。
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