俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
リリーはティーポットを受け取ると、それをまだ紅茶の入っていないカップに注ぎ、「あなたも一緒に飲もうよ〜」とメイドに手渡した。

「えっ!?しかし、私は今仕事中ですし……」

戸惑うメイドに、リリーは笑いかける。

「みんなで飲んだ方が、ずっと楽しいんだよ!そこにメイドとか貴族とか関係ないよ」

「リリーさんもこう言っているし、僕も一緒に飲んでほしいと思ってるよ」

ジャックがそう言うと、「では、お言葉に甘えて……」とメイドは微笑み椅子に座る。

そして、メイドがお茶を口にした瞬間ーーー。

紅茶がまだたっぷりと入ったカップが地面に落ちた。メイドは口から血を流し、苦しそうな呼吸をしている。

「きゃあああああああ!」

フローレンスが悲鳴を上げた。

「大丈夫か!?」

ジャックがメイドの背中をさする。

「私に任せるネ!」

リーがメイドを診始めた。

「ジャック!この国の医者と警察、呼んでくるネ!リーバス!消毒を持ってくるネ!」

リーが素早く指示を出し、ジャックと俺はすぐに動いた。

リーの素早い応急処置により、メイドの命は助かった。
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