俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
楽しかったお茶会は、恐怖に包まれた。
警察の調べにより、メイドの飲んだ紅茶に毒が入っていたことがわかったからだ。
「え〜この毒は、この国では滅多に検出されません」
本物の刑事が、俺たち外国人を一人ずつ見ながら言った。
「この毒は、ラス国が戦争で使用していたものです!!」
刑事がフローレンスを指差す。フローレンスは驚き戸惑いを見せた。
「とにかく、あなたには警察署まで来ていただきます」
「ちょっとお待ちなさい!まるで私が毒で人を殺そうとしたみたいではありませんか!そんなこと、私がするわけありませんことよ!」
フローレンスがそう言っても、刑事は聞く耳を持たない。ラス国出身のフローレンスが犯人と決めつけているようだ。ギール国とラス国は長年敵同士だからだ。
「フローレンスさんが、毒を盛ったという証拠はあるのですか?」
小町が訊ねると、刑事は共通語ではなくいきなりギール語で何かを言い出した。言葉がわからず戸惑う俺たちに、リリーが言った。