俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
「うるさい!黙れ!この外国人どもが!って言ってる…」

俺の中に怒りが生まれたが、リリーやイワンたちにも怒りがあるようだ。

「私はあなたと同じ警察です。先ほど彼女が言った通り、証拠がないのに拘束をするということは、逆にあなたたちが処罰されることになりますよ」

俺は冷静を装って話したが、刑事はギール語で何かを言った後、フローレンスに近づいた。その手には手錠が握られている。

フローレンスの顔が恐怖で真っ青になる。刑事は「お前を逮捕する!」と言い、フローレンスの手を掴もうとした。

「待ちなさい!!」

刑事の手をリリーが掴み、ギール語で何かを言い出した。ジャックが通訳をする。

「今は世界は休戦となり、平和へと向かおうとしています。ラス国出身でも、ギール国出身でも、どこの国出身でももう差別されることも、非難されることもありません!ましてや、それは人として許されないことです。あなたがフローレンスを敵だと言うのならば、私があなたを罰します」
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