俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
裏路地は昼夜を問わず犯罪が発生する場所だ。緊張が走る。

裏路地に入ると、男二人がボソボソと何かを話していた。わざわざ話すのに犯罪者にいつ襲われるかわからないこの場所を選ばないだろう。俺は迷わず声をかける。

「おい、ちょっと聞きたいんだが……」

俺が声をかけ振り返った二人は体を震わせ、「すみませんでした!」と謝り始めた。突然謝られ、俺もレムも戸惑う。

「すみませんでした!ここで麻薬の取り引きをしていたんです!」

「刑事さん!!どうか乱暴なことはしないでください!」

「……」

俺は驚いて何も言えなかった。自分が声をかけただけで、こんなことを告白されるとは思っていなかったからだ。

そのあと本物の刑事を呼び、犯人を引き渡した。犯人たちは俺が刑事ではないとわかっても、逃げようと抵抗をしたりはしなかった。

「もう間違われることは慣れているが、あんなことを言われるとはな……」

思い出すと恥ずかしくなる。

犯人たちが大声で命ごい?をしている間に野次馬が集まり、俺が刑事だと大勢に思われ、刑事ではないとわかった瞬間に野次馬たちが騒ぎ出したことは一生忘れないだろう。
< 7 / 179 >

この作品をシェア

pagetop