俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
「うう〜…。吐きます!吐きますよぉ〜」

俺が怒鳴ると、リリーはおどけながらも言った。

「この国の世界平和対策本部の人は誰?って聞いてここに来たんだ!」

「なるほど。では、お前は何の目的でここに来たんだ?」

「前回の会議で言ったことを実践してるんだよ!それに、ちゃんと計画書も作って持って来たし!」

高級ブランドのかばんの中から、リリーは大きな封筒を取り出す。

「計画書?」

首をレムは傾げる。俺の血の気がサッと引いた。

「えっとね……」

説明しようとするリリーの口を慌てて押さえる。

「この馬鹿!一般人にはまだ非公開だと言っただろう!!」

俺がそう言うと、外から子どもの泣き声が大音量で響いてきた。

事件か、と思い顔を上げると交番前にはいつのまにか人が集まっていた。

「ああ、外国のお客さんが珍しいんだな!君、そんな格好してるし!」

レムがリリーを指差す。じっとリリーを多くの人が見つめている。

世界平和対策本部の関係で、俺は外国人と多く関わることになり、俺は外国人を珍しいとは思わなくなった。しかし、一般人にとってリリーは珍しい存在なのだ。……迂闊だった。
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