俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
片付けだけで結局この日の勤務は終了した。

警官の制服から私服に着替え、リリーと一緒に交番を後にする。

「警官って掃除得意なんだね!」

無邪気に笑うリリーに、俺はレムとの乱闘を思い出し恥ずかしくなった。リリーから顔を背け、言葉にならない言葉を発するしかできない。

「えっとだな……警官は街の平和を守る仕事であって、掃除をするのが仕事ではないんだ。犯罪者を捕まえたり、困っている人を助けたりだな……」

顔を恥ずかしさで赤くしながら俺が言うと、リリーは「ちゃんとわかってるよ!」と笑う。

夕焼けが輝いていた空は、もうすっかり暗くなり始めている。一番星が夜に向かう空に光っている。

「この国は少し寒いね〜」

うっすらと白い息を吐きながら、リリーが隣で呟く。たしかに今日はいつもより少し冷える。

「お前の国は暖かいのか?」

「うん。一年を通してほとんどあったかいよ!」

ドリス国とタンバリー国はそんなに離れてはいない。国が一つ違うだけで、気候が違うのか。

「ほら、これを使え」
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