俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
俺は首に巻いていたマフラーをリリーに巻きつけた。リリーは一瞬驚いた顔を見せたが、すぐに笑顔を見せてくれた。

「ありがとう!あったかい!」

その笑顔を見て、俺は安心する。リリーには笑っていてほしい。

「お前は寒いのには慣れていないだろ?風邪を引いたら大変だからな……」

そう言う俺の腕に、「ありがとう!」と言いながらリリーが抱きついてきた。

「おい!!」

顔を真っ赤にする俺にリリーは首を傾げる。

「この方があったかいでしょ?」

その目に俺は首を縦に振りそうになり、慌てて目をそらす。

「だめだ!こんなに引っ付いたままだと、市場に買い物に行けないだろ!」

「市場!?」

顔を見なくても、リリーの目が輝いているのがわかった。

「夕飯の買い物だ」

「一緒に行きたい!!」

「なら、引っ付くのをやめろ」

そう言うと、リリーはゆっくりと体を離す。俺は冷静を保つので精一杯だ。心臓が音を立てたまま、止まらない。
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