俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
「あんなに大勢の人に驚かれるとは……」

ため息をついた俺に、レムがコーヒーを差し出した。

「まあ、お前は同僚の俺が見ても立派な刑事に見えるぜ」

「どこが刑事に見えるんだ?身長はお前とそんなに変わらないだろう」

たしかに百八十五センチと背は高いが、この国では珍しい身長ではない。現に隣でのんびりコーヒーを飲んでいるレムも、百八十三センチだ。

「いや、身長の問題じゃねえよ」

レムは苦笑しながら俺を指差す。

「まず顔!にこやかに笑うことがねえからお巡りさんって感じがしねえ。そして体型!ムキムキで体当たりで現場にいるって感じがする!」

「どちらも仕方がないだろう!直しようがないんだ」

俺はそんなことで刑事だと思われているのか、と頭を抱えた。

こんなご時世、にこやかに笑う機会などないので、自然と無表情になってしまう。レムはどうして笑えるのか不思議に思うほどだ。

体型は、特別な訓練をしなくても筋肉がつきやすい体質なのでどうしようもない。レムは訓練を積み重ねて必要な筋肉を手に入れた。

「あと、もう一個ある」
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