俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
「わ〜い!初めての料理〜!!何を作るの?」

はしゃぎながらエプロンをつけるリリーに、俺は包丁で指を切ったり火傷をするといった悪い予感しかせず、頭が痛くなった。

外食をするという手もあるが、もう買い物をしてしまったので、買った食材を無駄にすることなどできない。

俺は腹をくくることにした。

「とりあえず、お前はニンジンを切れ。こういう風に切るんだぞ」

ニンジンをまな板の上で俺が切ると、リリーは「おお〜!リーバス、シェフになれるよ〜」と目を輝かせながら言った。

「ほら、馬鹿なことを言ってないでさっさとやれ。俺はジャガイモを切るから」

リリーに褒められて嬉しい気持ちはあったが、それを表に出せばまたからかってくるだろうと予想できていた。

リリーの隣でジャガイモの皮を剥く。少し視線を下に向ければ、リリーの細い肩が見えて俺は慌ててジャガイモの皮剥きに専念する。身長は十センチしか変わらず、黙っていればとても美人なのに子供っぽい言動にため息と……特別な思いがある。
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