俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
ベルにも夕食を与え、リリーと俺は席につく。

「いただきます!」

同時に言い、リリーはオムレツを口に持っていく。貴族が食べるオムレツはもっと高級な具材が入っているのだろう。食べたことも、見たこともないが。

「おいしい!私、こっちの方が好き!」

「そうか。それならよかった」

目を輝かせるリリーに、そんなにおいしいものなのかと驚きながら俺もオムレツを食べる。

誰かと食事を共にするのは、何年振りだろうか?一緒に作って食べる喜びが胸に広がる。

「そういえば、どうして私も一緒にご飯食べてるの?」

リリーが訊ねた。

「リーバスが家に連れてきてくれるなんて、想像もしてなかった!もちろん、泊まりに来たんだから家にお邪魔させてもらわなきゃダメだけどーーー」

「ちょっと待て。お前、俺の家に泊まるつもりか?」

リリーの言葉に食べる手が止まる。リリーは真顔で頷いていて、本気なのだとわかる。

「お前、俺は男なんだぞ!ホテルに泊まるとかそういうのは……」

自分でも驚くほどドキドキしながら言うと、リリーは「この辺りのホテルなんて知らないもん」と返す。

たしかに、ここからホテルまでは距離がある。俺が送って行くと言ってもこいつは言うことを聞かない。

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