俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
それはきっと、リリーが俺たち民を前にして、見下したりしないからだろう。共に話し合い、共に自由なパーティーを楽しみ、共にこうして食事を作って食べていて親しみやすいからなのだ。

「……リリー」

俺が口を開くと、リリーの顔に緊張が走った。

「何?」

リリーの目を見つめながら、俺は言った。

「俺は、小町に対して恋愛感情は抱いていない。小町は大切な友であり、仲間だ」

そう言うと、リリーの顔から一気に緊張が抜け、笑顔の花が咲く。

「よかった〜……」

何がよかったのかさっぱりわからん。俺が不思議に思いながらパンを口に入れると、リリーが立ち上がり俺の隣に座った。

「な、何だ?」

じっと見つめられ、あまりに近い距離に顔をそらす。会議では隣にならないので、この距離は近すぎると思った。

「……私は?」

耳元でささやかれ、俺はドキッとした。リリーの声がとても落ち着いていて、いつもと違う。

「私のこと、どう思ってるの?」

リリーの顔は、落ち着いた声とは違い無邪気な子供のような表情だった。
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