俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
「何があったんだ?」

俺が訊ねると、リリーはうつむきながら呟く。

「……ステージの隅に……爆弾があるって……さっき言われたの……」

爆弾という言葉に、俺とレムは顔を見合わせる。

「何だと!?」

「大変だ!ちょっと様子を見てくる!」

レムがステージの方へと走っていく。俺はリリーに事情を聞いた。

「あの男性から何て言われたんだ?」

「ステージの隅に爆弾が仕掛けてある。時限式だからすぐに人を避難させるって言われた」

リリーの体は小刻みに震えている。しばらくするとレムが「やべえぞ!」と言いながら戻って来た。

「あと十五分で爆発する!俺たちの見たことのない爆弾だ!解体できそうにない!!」

「何だと!?」

遠くから悲鳴や、何かが壊れる音が響く。爆弾のことをみんなが知り、我先にと逃げようとしているのだ。

「まずい…。このままでは…」

混雑し、いつ怪我人が出るかわからない。下手をすれば死者が出る可能性もある。
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