天使と悪魔の駆け引き
「おい、美紅。」
倒さなきゃ…
龍玖を倒さなきゃ―…
「バカ美紅ッ!」
「ひぇえ?!」
耳元で大きな声で呼ばれ飛び起きてしまった。
なんなの、と言わんばかりに龍玖を見る。
グイッ
――――――んン?!
ちょっ、と!
ちょっ―――!!!
「やめれええい!」
ドンッと龍玖を突き放した。
「んー、なんで?いいじゃん。減るもんじゃないし♪」
…………減るもんじゃないしって
いやいや、だからって
キスするなし―…っ
ボロボロッ
「えっ!」
なんで、最近涙もろいの〜?!
天使になってから、泣き虫になった…。
天使になってから、苦しんで悩むようになった。
全部全部、天使になったからじゃない―……っ!
「なんで、泣くの?」
龍玖は首を傾げる。
「嫌だからよっ!」
「キスされんのが?」
違う、それも嫌だけど
でも違うっ!