天使と悪魔の駆け引き
「夢、だよ。多分。」
「あー、もうっ!美紅ちゃんたら現実見なさいよ!」
女はペシペシと叩く。
だから、現実でこんな事って有り得ないんだって!
私は黙って女を見つめると、女はコホンと咳をして言った。
「あなたは、天使です。
悪魔を退治するのが天使の役目です。」
なに、いきなり。
私が天使……?
いやいや、羽ないし。
「羽ならあるよん!」
女は私の背中を2、3回擦った。
すると背中が少し重くなった。
全身鏡を見ると羽がある。
「この天使の羽はね、悪魔と天使にしか見えないの。普段は羽をしまえるよ。」
女はクルリと回ると羽が瞬時に消える。
「ね、美紅ちゃん。便利でしょ?」
…………うん。
てえええぃ!
納得してる場合じゃない!
「なんで、私なの!」