ルクスのあしあと。


「まず私達からするわね。私の名前はフラーシェアナ・リトナルファ。呼び方はフラシアでいいわ、長いし。吸血の民のなかでも上級階位の家なのよ」

「じょうきゅうかいい?」

「吸血の民も人間みたいに階層ってのがあるのよ。で、私の家は上の方っていうだけよ。あんまり関係ないけどね(笑)で、ラディルはラウディルア・エル・リトヴェーネっていうの。で、ラディルの家は」

「フラシア。あまり喋るな」


・・・やっぱり私は仲間にはなれませんか?

人間から化け物扱いされた私では吸血鬼の仲間にもなれませんか?

分かりきっている事なのに期待していた自分がいる。

落ち込む自分がいる。

何度も認識したはずなのに。

誰かの隣を望む事はいけないって事は・・・


「・・仕方ないわね。じゃ今度はあなたの事教えてよ」

「ぇっと私はルクス・タナシア、です・・・」

「・・・他には?」

あぅ・・やっぱり言われますよね。

でも何を言えばいいんだろう?

人となるべく関わらないように生きてきた私には何を言えばいいかが分からない。

たとえ今だけの関係だとしても・・・

「ルクス!あなたネガティブすぎ!暗すぎるわ!どうせ今も私なんてって思ってるんでしょ?・・その性格私が一から叩き直してやるわ」

「ぇ?」








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