ルクスのあしあと。
その声に驚いているのはフラシアさんの方だった。
「どうしてあんたがいるの?!」
「いたら悪いのか?」
「悪くは無いけど・・あんたがこんな所にくるなんて珍しいから」
「少し気になっただけだ」
その台詞を聞いてフラシアさんが嬉しそうに笑った。
「もしかしてルクスのこと?気になる?」
私の名前が出てきて驚いた。
でも考えてみるとそれは当たり前の事かもしれない。
【みりょうがんほじしゃ】じゃないのに人を狂わせる私は・・・
・・・・
・・・・・・・
【みりょうがんほじしゃ】って何?
「吸血鬼でも魅了眼保持者でもないのに人を狂わせるなんて・・・」
聞くべき事を聞き逃した私をおきざりにして二人はしかめっ面で話し出す。
やっぱりしかめっ面でさえ綺麗で見蕩れてしまう。
「私は人間が狂った所を見てないからルクスのせいだなんてあまり信じられないわ」
フラシアさんのその言葉は嬉しいような悲しいような言葉・・・・
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