ルクスのあしあと。
第一章

出逢い



私はここがどこの国でどういう所だなんて知らない。

ただ住んでいた所から逃げるように出てきたから。

だからこんな暗い裏路地なんて全く知らなくて・・・






「ハァ・ハァ・・・」

どれくらい逃げているんだろう?

いつも追われて

追い詰められて

逃げ出して



いつになったら終わるんだろう?







「ぁっ」

ドサッ

石に躓きこけてしまった。

右膝からは血が出ている。


「ほらぁ、ルクスちゃん。俺から離れちゃ駄目だって言っただろ?」

ゾワリとした。


その声に


その手に


その目に







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