ルクスのあしあと。


いつからなんて覚えていない。


何気ない会話をしていたおばさんが急に私をどこかに連れて行こうとした。

道を尋ねてきたお兄さんが急に襲ってきたりもした。

たまたま目が合った小さな女の子が急に狂ったように笑いながら近づいてきた事もある。




自分と目が合った人がおかしくなってると気づいてからは人の顔が見れなくなった。

それからは下を向いて歩く癖がついた。

そうしたら急に襲われたりは無くなったけど・・・

ずっと一人だった。



それはとても寂しくて

一人きりはイヤで・・・









「やだやだやだ!もうイヤ!誰も近寄らないで!」


もう限界だった。

一人の寂しさに。

だけど怖かった。

自分に近づいてくる人が何を求めているか分からなくて。





「邪魔だ」


グイッ

声と一緒に右腕が引かれて立たされる。

顔をあげて見えたのは緋い髪の後ろ姿――








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