後輩営業は虎視眈々と先輩アシスタントを狙っている
「僕は隠し事はしませんよ。何でも聞いてください。質問があるってことは、それだけ僕に興味がわいたってことですからね。喜んで答えます。」

いつもとかわらない口調の田村君を見上げる。

玄関の照明に照らされている顔は、いつもの何倍もイケメンに見えた。

もしかしてこの照明って、一段と良く見えるような仕掛けがあるのかな?

ドアの閉まる音で、ふと思った。

ここで靴を脱いで部屋に上がってしまったら、取り返しがつかない事になるのではないかと。

いや、確実になるよ!


私の腰に大きな暖かい手をあててエスコートをしてくれている彼。

見つめ返す視線が、なんだか熱い。

どのくらいの時間がたっただろう。

2~3秒だったのか1分以上だったのか、時間の感覚がわからない。


そして、不安な私が安心するように、彼が今まで見たことないやさしい微笑みを向けてくれた。

それが私だけに微笑んでくれているだと思うと、自分が特別みたいで嬉しくなる。

仕事中のキリと音が聞けそうなくらいの真摯で真面目な眼差しもカッコイイと思っていたけど、この微笑みはもっと魅力的だ。




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